10代の6割、ファストファッション古着購入に意欲(ベクトル調べ)
10代の古着人気がうかがえる結果に
全国95店舗でリサイクルショップを展開するベクトルグループ(以下、ベクトルグループ)より、古着購入と処分に関する調査結果が発表された。ベクトルグループは5月30日(ゴミゼロの日)に古着を箱に詰めて送るだけで買取り依頼ができるWebサービス「ウルウル」の本格展開を開始し、女性のファストファッション売買ニーズに応えるサービスに注力していくという。今回の調査対象は10代~30代の女性360名。
ファストファッションはそもそも、最新の流行を取り入れながら低価格で提供されるファッションアイテムのことを言い、その特徴から短いサイクルで大量生産・大量販売するブランドが多い。それゆえに古着としてリユースするよりも、ワンシーズンで処分されることも多い品だとの認識が強かった。しかし、今回の調査ではファストファッションアイテムを古着として購入するユーザーが多数いることが明らかになっている。この認識の変化は注目すべきだろう。以下で調査結果をまとめる。
まず、世代別に古着への関心度合いを見てみよう。「自分が着用する服で古着を買ったことがありますか?」という問いに対し、10代の48%が「買ったことがある」と回答、18%が「まだ買ったことはないが興味がある」と回答した。20代で「買ったことがある」と回答したのは51%、「まだ買ったことはないが興味がある」と回答したのは10%。30代では、48%が「買ったことがある」、6%が「まだ買ったことはないが興味がある」 と回答している。これより、若い世代ほど、古着への関心が強い様子がうかがえる。
また、古着を買ったことがあると回答した人に対して「古着を1着購入するのにいくら使うか」尋ねると、どの年代においても2000円以下という回答が多数を占める結果となった。特に10代では58%が1000円以下で購入しており、ファッションにかける費用を抑える目的もうかがえる結果となった。
ファストファッション古着にも関心が集まる
古着購入に対する関心が高いことを明らかになったところで、「ファストファッションの古着売買」についてみてみると、ファストファッションの古着を購入できることを知っている人は31%という結果に。一方で、ファストファッションの古着購入への関心を問うと、10代は「買ったことがある」13%、「まだ買ったことはないが買ってみたい」50%。20代では「買ったことがある」13%、「まだ買ったことはないが買ってみたい」32%となり、30代では「買ったことがある」6%、「まだ買ったことはないが買ってみたい」35%という結果になった。ファストファッション古着に関しても関心が高いことが分かる。
またファストファッションで売買したいブランドとしてはユニクロ、ZARA、H&M、GAPなど人気のファストファッションブランドが上位を占めた。
ファストファッションの売買をする場として、アプリ・サイトの利用意向を問うと10代で56%、20代で41%、30代で45%が「利用する」と回答している。実際に利用したことのある衣服に関するサービスとしては、楽天市場、フリマアプリのメルカリ、ZOZOTOWNなどが多数を占めた。
ファストファッションはどちらかというと使い捨てに近い感覚で利用されるものだったはずだ。それが低価格で購入できる古着として人気を集めていることからは消費者の意識の変化を感じられる。この変化の背景の1つは、誰にでも利用しやすいフリマアプリの流行だろう。個人が不要品を売りやすくなったことによって、これまで捨てられていたものまでもが、売買されるようになってきた。となると、新品で購入する際にも、使用後に売ることを前提に長持ちするものを買おうという意識も出てくるはずだ。購入のタイミングだけでなく、どのように使用するのかというところまで消費者の行動をよく考えた商品選定、販促活動が求められているのではないだろうか。